どうもバタピーです。
前回は私が考える「低燃費住宅のすごいところ(ランニングコスト編)」をとりあげました。
今回は家の寿命について取り上げていきたいと思います。
家の寿命を決めるもの
現代の家の寿命は30年と言われています。
私は現在アラサーで、今年新築予定ですので普通の家の寿命で計算すると会社を定年退職する前後で家の寿命がくるわけですね。
子供も自立し、これからは夫婦2人で第二の人生を歩み始めるタイミングです。
夫婦2人で十分な小さな平屋に建て替えたり、あるいはもっと年配の人が住みやすい場所に移住したり、いろんなケースがあります。
しかし、その時に必ずお金がかかります。
建て替えなら数千万、賃貸へ引っ越すなら元の家の解体や土地の整地費用で数百万。
これから年金暮らしにこの金額は決して小さいものではありませんよね。
じゃあもし家の寿命がまだまだ長かったらどうでしょう。
建て替えずにそのまま住むことも可能ですし、移住するにしても資産価値の高い家ですから売ることも可能です。
お金がかかるどころかプラスになるとしたら嬉しいですよね。
どうせならそんな家を建てたいなぁと思っていましたので、私が低燃費住宅の仕様の中で建物の寿命に寄与していると思っている「基礎」「壁」について紹介します。
基礎の強度
どんなに頑丈で立派な上物に見えても、家を支える基礎のがしっかりしていなければ意味がないのは容易に想像できます。
低燃費住宅では「100年基礎」と呼んでいますが、通常よりも密度・強度・厚みをしっかりさせるために基礎を作る工程でかなり時間を費やしています。
私も初めて知ったのですがコンクリートが湿っているとなんか土台が腐ったりしそうでNGなイメージでしたが、コンクリートをしっかり水に浸しておくことで強度が増すんだそうです。
そのため低燃費住宅では基礎のコンクリートを流した後、ホースで水を流しながら1週間くらいは水に浸しているそうです。
コンクリートを流してから1ヶ月の間はコンクリートの養生期間をとってしっかり強度をだす必要があります。
コストダウンを図るためにコンクリートを流してすぐ木工事をして荷重をかけてしまうと内部が破壊されてしまい、それこそ30年持たない基礎になってしまいます。
そして最後に表面をコーティングして酸化を防いで、「100年基礎」を作っています。
通常21N/mm2という強度を30N/mm2まで高めているのですが、この30N/mm2という数字がどれくらいの強度かというと高層ビルの柱を作れる強度とのことですから、すごいですね。
詳細は下記URL参照↓
壁内結露をおこさないアルセコ外壁
通常の壁構造
実は燃費住宅の私のお気に入りランキング1位が「アルセコ外壁」です。アルセコについては前回の記事で軽く紹介しましたが、この外壁の大きな特徴は「通気層がない」という点です。
通常、室内からの湿気は防湿気密シートで防がれ外には排出はされません。
反対に外からの湿度も防湿気密シートで防がれ室内には入っていません。
しかし、夏場だとこのとき室内はエアコン等で冷やされていますから防湿気密シートにふれた湿った空気も冷やされて結露してしまいます。
これが壁内結露と言われる壁の中でおこる結露で非常に怖いものです。
冬は乾燥していますからそもそも壁内結露は起こりにくいです。
冬に窓が結露した経験はだいたいみなさんしていると思いますが、あれは目に見えるから可愛いもんです。
壁の中で結露されたら見えませんので、気づいた時には時すでに遅しとなるわけです。
この時に活躍するのが「通気層」なのですが、ここを空気が通ることで壁内の湿度を排出できるようにしています。
結露は一時的であれば全く問題ないのですが、長期間結露し続けてしまうと構造体が腐ってしまい、建物強度に大きな悪影響をあたえます。
なので、知識のない施工業者が通気層をつぶしてしまうような施工をするなど、通気層の通気を阻害する要因を作ってしまわないよう十分注意する必要があります。
以前、某ローコストハウスメーカの吹き付け断熱の現場を見たことがありますが、防水透湿シートに断熱材を直接吹き付けているのを見て、通気層をつぶしてしまいそうで不安になりました。。。
アルセコの構造
一方、アルセコの方はというと「通気層」自体がありません。
え?じゃあ、湿気が入ってきたらどうなるの?と不安になりますが、簡単に言うとアルセコを構成している素材すべてが高い「透湿性」をもっているため壁内で湿気が長時間とどまることはありません。
それにより、夏場の壁体内結露のリスクを下げているということです。
湿気を通したら夏はジメジメしちゃうんじゃ?
そこでもし、夏に湿気が壁内に進入してきた場合、過度な湿気は外から室内へ湿気が移動することになります。
そこで一つ疑問なのが夏は室内へ湿気がどんどん入ってきて室内がジメジメしちゃうんじゃ?
ということです。
しかし、私が宿泊体験したときはジメジメとは無縁ですごく快適でした↓
ここからはあくまで私個人の考えも含まれますが、、、
透湿抵抗値という湿気の通しにくさを表す値を理解するとわかりやすいみたいです。
細かい数字は挙げませんが、この数字は材料によって決まっており、値が高ければ高いほど湿気を通しにくいです。
アルセコを構成する材料で一番、透湿抵抗の高い材料は接着剤です。
その他の材料は全て透湿抵抗が低いです。(夏の場合)
この時の湿気の流れを図にしてみます↓
①ロックウールに進入した湿気の多くは接着剤が防湿ラインとなって、透湿抵抗の低い外壁側へ移動して排出
②しかし、全てが排出できるわけはなく一部の湿気は接着剤を通過してセルロースファイバーまで進入
③セルロースファイバーの湿気が多くなると、調湿気密シートが透湿シートに変化して、湿気を室内へ排出
というようなイメージでしょうか。
おそらく室内に湿気は入ってくるでしょうが、それ以上にエアコンで冷房して除湿される量の方が多く、それに加え無垢床やルナファーザー(漆喰内壁)が調湿してくれて、湿度を保てているんではないかと想像します。
実際、低燃費住宅の創業者である早田さんにも確認しましたが、低燃費住宅の建物はアルセコの壁だけでなく、調質性の高い建材が他にも多く使われており、湿気を保有できるバッファが非常に大きいことがそれを可能にしているとのことでした。
このアルセコは国内ハウスメーカーの通気層を使った「一般的」なやり方ではないので、少々不安ではありましたが、透湿の考えを知って納得して私は低燃費住宅と契約しました。
通気工法
必ず防湿層が存在するため、そこでの壁内結露を起こさないために通気層を設けて湿気を排出
アルセコ
通気層がないため、湿気が壁内にとどまらないように透湿性を高くして、湿気を排出
それぞれきちんと施工されていれば壁内結露は防げるでしょうから、どちらが正解というわけでもなく、施主が納得できればどちらでもいいんじゃないかと思います。
アルセコに関してはドイツでは50年の実績もありますし、「WUFI」というドイツの建築物理研究所が開発した非定常熱湿気同時移動解析プログラムというものを使って、しっかりチェックされています。
そのため、構造体の寿命をより長く保てるんではないかと思います。
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