どうもバタピーです(^^)/
今回は高気密高断熱住宅の住まい方のコツとして、エアコンについて紹介します。
エアコンは高気密高断熱住宅には欠かせない設備ですが、エアコンを生かすも殺すも、設置位置、間取り、運転方法がかなり重要になってきます。
エアコンの運用も重要ではありますが、「間取り」の影響も大きく受けるので、間取り検討の段階から注意すべきことを紹介します。
Contents
高気密高断熱住宅の住まい方のコツ(エアコン編)
エアコンは止めない
普通、冷暖房時のエアコンは部屋にいない時や外出時は電気代がもったいないからと止めますよね。
でもこれが高気密高断熱住宅になると(断熱気密レベルにもよる)、エアコン1台で全館空調が可能になって家中が快適な温度になります。
しかし、家中となると気積が大きいのですぐに温めたり冷やしたりするにはエアコン1台では難しいです。
エアコンを止めたあと、やがて熱が逃げていき、不快になったところで再度エアコンをつけて、また家中を冷暖房しようとすると高気密高断熱住宅といえども大きなエネルギーが必要になり、電気代がかさんでしまいます。
そのため、エアコンを24時間運転することで温めたり冷やした空気温度を一定に保つことで少ないエネルギーで運転し続けることができて、間欠運転と比較しても電気代もほとんど変わらりません。
寒くて不快だと感じてエアコンをオンする生活と、何も考えず生活していても寒いと感じない生活では、もちろん後者の方が満足度が高く感じると思います。
もちろん、地域性でそこまで寒くない地域で昼間の日射が豊富で朝晩だけ運転した方が、経済的で快適性も損なわないのであれば間欠運転でも全然OKです。
ただ連続運転で私が一番メリットを感じるのが、室温を定期的に見てエアコンをオンオフするという管理がいらなくなるのは私にとってはかなりメリットが大きく感じるポイントです。
エアコンによっては日時指定でタイマー運転できるものは良いのですが、我が家のエアコンは日時指定ができずに、「○○時間後にオン/オフ」みたいな制御しかできません。(スマートリモコンで制御すれば可能)
そのような場合に、管理が面倒だと感じる方にとっては連続運転の方がメリットは大きいでしょう。
エアコンは2台設置する
え!エアコン1台で快適にできるって宣伝してるよね!
と、言われてしまうかもしれませんね(^^)
住まい方のコツというよりは間取りや仕様検討中のコツになってしまいますが、確かに性能的には小さいエアコン1台で十分賄うことは可能です。
しかし、暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ、という空気の特性があるので2階建てであれば、夏は2階に設置したエアコンで冷房、冬は1階に設置したエアコンで暖房した方が家じゅうに均一に空気を拡散させやすくなります。
今のエアコンは高性能なので風量を上げればどこに配置しても、ある程度空気は拡散できるでしょうけど、間取り上うまくいきわたらせることは難しかったりします。
風量を増しても無駄に電気代がかかってしまうことが多いのであまり効率的ではありません。
このように快適性という意味でもエアコンは2台あった方が良いと思いますが、私がエアコンが家に2台必要だと思う一番の理由は「バックアップ」としての機能です。
想像してみてください。
真夏に冷房で使っていたエアコンが突然壊れたときのことを。
外はカンカン照りで温暖化で40℃近くまで気温が上昇している昨今、果たして冷房無しで新しいエアコンが設置されるまで、何日家の中で過ごせるでしょうか?
庇があるから大丈夫?
確かに南面はそれらで直射日光は避けることができますが、朝日と夕方の西日は庇では防げません。
外部シェード?
確かに外部シェードがあれば直射日光は避けられますが、室内は無冷房なので外気温が高ければいずれ室内の温度も上昇します。
エアコンが壊れた次の日にすぐ交換できるなら問題ないでしょうけど、夏といったらエアコンの取り付けの繁忙期です。
すぐに交換できる保証はありません。
そんな時にもう1台エアコンがあれば心配ありませんよね。
エアコンの交換までの期間はバックアップとしてのもう1台の暖房用のエアコンで冷房できると思えれば、心の余裕は全然違います。
冬は着込めば何とかなりますが、夏はエアコンに頼るほかありませんからね。
普通の住宅よりもエアコンへの依存度が高い高気密高断熱住宅は、エアコンの稼働時間が長いので設計上の耐用年数が10年のところ、半分の5年程度で故障する可能性が高いようです。
エアコンは確かに日本が世界に誇る素晴らしい家電ですが、高気密高断熱住宅で24時間運転するように想定されていませんので仕方ないことなのかもしれません。
エアコンは所詮、機械なので真夏のエアコン故障時の保険という意味でもエアコンは2台設置することを強くおススメします。
除湿シーズンはエアコンの特性を理解して運転する
除湿シーズンというと、梅雨~夏の時期になります。
梅雨は当然外気の湿気が多いので、エアコンで除湿することになりますが、エアコンの除湿モードよりも弱冷房にした方が除湿量が増えるケースもあります。
後者のケースというのはフエッピーさんのブログや書籍で紹介されている全館冷房の手法なので、是非そちらを参考にすることをお勧めします。
この手法は間取りやエアコンの位置で効果が大きく変わるので、これから間取り計画をしている方には必読の内容です。
既に住み始めている方にとっても、参考になる内容ですので知らない方は一度見てみると良いかと思います。
私は間取り決定後に知ったので完璧とはいきませんでしたが、この全館冷房の手法にならってエアコンの配置を考えて、実際に運用しました。
しかし、狙い通りにうまくいかず試行錯誤した結果、エアコンには特性があり、エアコンによる除湿設定の最適解はエアコンの機種や位置、間取りで違うということです。
我が家のケースですと、梅雨時期の「除湿量」は2階エアコンよりも、1階エアコンで除湿した方が除湿量が多くなることがわかりました↓
除湿(冷房)のセオリーでは室内の高い位置(2階)で除湿(冷房)することで、家全体に除湿された空気がいきわたりやすいといわれます。
我が家の場合、2階は手洗い場もトイレもない寝るだけのエリアで、生活スペースの1階からの湿気の発生量が多く、なんならエアコンの目の前で室内干ししていたりするので、除湿効率が良いと推測しました。
かつ、1Fのエアコンは「弱冷房」よりも「除湿」モードした方が多く除湿できたので、エアコンの特性も関係してくるかと思います。
このエアコンの特性を理解するなんて、初めて注文住宅を建てる方がわかるわけありませんから、運転モードに関しては住みながら模索していくしかないかなと思います。
その時の保険として、2台のうちどちらか1台は再熱除湿機能付きのものにしておくとさらに安心です。
夏用エアコンは高い位置で、かつ冷気を感じにくい場所に
夏のエアコンの位置と運用はフエッピーさんのブログの通りで、2階に設置した上で1階に冷気を下せる場所(吹き抜け、階段ホール等)が良いです。
我が家も吹き抜けに設置していますので、家じゅうが冷やされて夏でも快適です。
しかし、1階の吹き抜け部分はリビングでソファがあるので、ソファでゴロゴロしているとエアコンの冷気がもろにあたるので少々寒く感じます。。。
吹き抜け部分でじっとじていることがないのであれば大丈夫ですが、できればエアコンの冷気はダイレクトに1階に落とすのではなく、2階のフロアを少し経由して1階へ、というイメージの方がマイルドに1階に冷気が落ちてきてちょうどいいかもしれません。
冬用エアコンはコールドドラフトを無くせる位置に
これは今回の記事で一番伝えたいポイントかもしれません。
冬は「家で一番寒くなる場所」にエアコンがあると良いです。
確かにエアコン1台で家中を暖房することは可能ですが、高気密高断熱住宅であってもエアコンの位置を間違うと「コールドドラフト」を感じることがあります。
コールドドラフトがなんなのかわからない方はググればすぐわかると思いますが、窓等の断熱気密の弱い場所から冷気が床を伝って流れてくる現象のことです。
我が家で一番寒いのは1階の玄関になりますが、ドアのゆがみによって気密が悪く、冷気がリビングまで流れ来るのを不快に感じ、対策してもらった経緯があります。↓
この時に感じた冷気がまさに「コールドドラフト」です。
高気密高断熱住宅になると、性能が高いがゆえに弱点が目立ってきてしまいます。
全ての窓が同じように性能が悪ければ、まんべんなくただ寒いだけなのですが、コールドドラフトは何とも言えない失敗感を感じてしまうのは私だけでしょうか?笑
結果的にはドア本体交換&パッキン交換でドアからの漏気はなくなり、玄関窓の結露も減りコールドドラフトもかなり改善されました。
しかしそれでも、我が家の玄関は北よりで日射も入らない上にエアコンの暖気も届きにくい位置になるため、どうしても他の部屋より寒くなりがちです↓
外気温が氷点下になると、青枠の窓が我が家で唯一結露してしまう窓になります。
この窓はFIX窓ですし玄関ドアの漏気もなくなったので気密性は問題ないのですが、いかんせん熱源が無いのです。
そのため、外気が氷点下になる夜から朝にかけて玄関が冷えてくると、暖かいリビングに向かってコールドドラフトが発生します。
この点について今反省するならば、間取りを変えないのであればエアコンの位置を玄関に配置すればコールドドラフトは解消できていたかもしれません↓
この位置であれば、玄関も寝室も温めることができるのでそもそもコールドドラフトが発生しにくいです。
エアコンの正面がリビングで吹き抜けなので家じゅうに暖気を拡散できそうです。
実はこの案も頭の片隅にはあったんですよ。
しかし、
- 室外機が家の道路側に配置されて見栄えが悪い
- タタミコーナーの室内干しが良く乾く
- 吹き抜け近くの方が家じゅうに暖気を送れる
という考えから採用しませんでした。
しかし住んでみたら、
- 室外機が家の道路側に配置されて見栄えが悪い
⇒見栄えよりも快適性でしょ! - タタミコーナーの室内干しが良く乾く
⇒サーキュレータで十分乾く! - 吹き抜け近くの方が家じゅうに暖気を送れる
⇒吹き抜け窓から日射が入るじゃん!
というオチでした笑
間取り図に穴が開くほどあんなに考えたのに、住んでみないと分からないことってあるんですよね~( ゚Д゚)
家を温めるのは日射であり、エアコンは補助的なもの。
高気密高断熱住宅の暖房用エアコンで大切なのは「温度差を作らない、コールドドラフトを発生させない」こと。
つまり、一番寒くなりそうな場所にエアコンを設置or暖気を送れるようにすること。
が、私からのアドバイスになります。
今回は以上!
それではまた(^^)/
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